【風俗伝記第一章②】
~私は誰の子?~
私は3歳の時に心臓に自病を抱え
子供の産めない身体の養母と工場で働く養父と
養子縁組をしました
家賃は1.5万円の小さな隙間風が入る
ボロアパートに家族3人で貧乏ながらも
幸せに暮らしていました
小学低学年の時に私の親戚の祥子(仮名)が
突拍子もない事を学校帰りに皆の前で言うのです
祥子:「ミユウちゃんって捨て子やで~」
急いで友達がかばうと
祥子:「うちのお父さんが養護施設にミユウちゃんの
親とミユウちゃんを引き取りに行ったって言うてたもん。帰ってお母さんに聞いてみ」
私は小さな頃から気が小さく
養母に聞く勇気がなく家に帰っても黙っていたら
学校の先生と祥子の親と祥子が
我が家に頭を下げに来ました
「嘘をついてすいませんでした」と
嘘?
子供の私でも分かる違和感だらけの大人の嘘
それでも私は何も母親には言えずにいたら
皆んなが帰ってから養母が
母子手帳を持って私の前に来て謝りました
養母:「ごめんね黙ってて、ミユウちゃんはお母さんが産んだ子じゃないの。ただお母さんは自分の子供としてこれからも貴女を大切に育てていきたい」
そう泣きながら言われ
私は泣くに泣けず
自分の想いを
ひた隠し頷くのが精一杯だったのを覚えています
養母がいない日に引き出しに隠してあった
母子手帳をみつけ
母親欄の養母の名前を上から紙で貼ってあったのを
そーっとめくると実母の名前が出てきました
本当のお母さん…
私の本当のお母さんに会いたい
一瞬そう思ってしまった自分に対して
とんでもない罪悪感と
なんて親不孝者(育ててくれた親に対して)
と自分を責めていました
実母に会いたいと言う気持ちを
この日以来封印し考えないようにしました
そして小学一年生で私は捨て子だと分かってから
元々消極的だった性格は
加速し家でもとにかく「いい子」を演じましたし
欲しいものがあっても食べたいものがあっても「欲望」を表に出すことは一切しない子になってしまいました
何故なら…また捨てられるのが怖かったから
普通の子は
親に捨てられる怖さに怯える生活なんて
していないんだろうけど
私は常に親の顔色を伺っていた
そして経済的余裕もなかった養母に
自分の事で負担をかけたくなかったのもありました
「高校どうしようかな…」
【風俗伝記第一章③】
~捨て子の進路~をお送りします
次回に続く